事例別のマンション売却問題
自殺のあったマンション(事故物件)は売却できる!? 「歴史的な事故物件の売却は!?編」

自殺・他殺等があった事故物件マンションは売却できるの!?
くまった君みたいなのは、ともかくとして…
自殺や、他殺などがあった事故物件となったマンションを所有していて、そのまま住むことに抵抗あるという人も多いと思うんだよね。それに、親族が孤独死してしまったというケースもあると思うんだよね。
そういったマンションを売りたいと思うのは自然なことと言えるんだ。
でも、事故物件となったマンションの売却は当然のことながら、普通のマンションと同じように売れる訳ではないんだな。
基本的には事故物件となったマンションについては、安くしない限り売れないと思ったほうが良いんだよね。
また、元々マンション自体にほとんど需要が無い場合は、例え安くしたとしても売れないことが多くなるから注意して欲しいんだな。
というわけで、ここからは事故物件となったマンション売却について、詳しく解説していくからぜひ参考にしてみてね。
このページを読むと、更にこんなことが分かります!
☑自殺のあったマンションは、似た取引の事例があまり無いので不動産会社によって査定額に大きな差が出やすい
☑査定額は2~3割程度下がることが多いし、更に大幅に下がることもある
☑事故物件を売るときは、事故物件を扱ったことがある不動産会社を選ぶと良い
☑買い手が見つからないときは、更に大幅な値下げも検討する。又は、不動産会社に直接買取してもらうという方法もある
☑事故物件の定義は「一般人が普通に住みたくない」と思うような物件のことを言う
☑孤独死は事故物件と言えるかどうかは微妙なケースが多い
☑事故物件であることを隠して売るのはNG
☑“瑕疵担保責任免責の特約”を結んでいても、事故物件であることを隠していると責任を負うことになる
☑事故からどのくらいの期間が経過すれば、告知義務が無くなるのかは明確な定義は無い。ただし、概ね10年程度がラインとなることが多い
☑告知義務に違反すると売買契約の解除と損害賠償請求までされる場合もある
詳しく知りたい人は、ちょっと長くなるけどぜひ読んでいって欲しいんだな。

自殺等があった事故物件のマンションを実際に売却するには?
STEP1 実際に査定してもらう
事故物件となったマンションに限った話では無いんだけど、マンションを売る場合にまず最初にするべきことが、マンションの査定相場を知ることになるんだ。
マンションを査定してもらう方法としては、近くの不動産会社に連絡して査定してもらうという方法もあるんだけど、それでは正確な査定相場を把握することが難しくなるんだよね。
なぜかというと、たったの1社からの査定額の提示では、その査定額が本当に相場に見合っているのかどうかの判断しようが無いからなんだな。
特に自殺や他殺があったような、事故物件については他の類似物件との取引事例比較が出来ない分、不動産会社ごとに査定額の差が大きくなる可能性があるもんね。
というわけで、自殺などがあったマンションを査定してもらうときはスマホでも申込みができるネット一括査定サービスを利用するのをおすすめするんだな。

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実際に事故物件はどのくらいの査定額になるの?
実際に査定をしてもらって、どの程度の査定額になるのか?については普通の物件以上に、不動産会社による違いが大きくなる可能性が高いんだ。
査定額の相場としては、事故物件ではない場合と比較すると2~3割程度は下がると考えて良いんだよね。
2~3割下がるというのは大きいんだな…
ただし、これはどのような事故物件か?によって大きく違ってくる可能性があるから、一概に言えることではないんだよ。
そうだねー 事故物件となった原因が全国的に報道されるような事件があったというのであれば、2~3割減じゃなくて大幅に下がる場合もあるだろうし…
場合によっては査定自体を断られる場合もあり得るだろうね。
ここに注意!
マンションの一括査定サービスを利用するときに、事故物件としての査定額を把握したいときは備考欄に事故物件であることを入力しておく必要があるんだ。不動産会社によっては事故物件を扱わない場合もあるかもしれないし、実際にいくらで売れるのかを把握するのを優先するのであれば、どのような事故がいつ頃あったのかも明記しておくことをおすすめするんだな。
もし、査定時に事故物件ではない場合の査定額を知りたくて、事故物件であることを不動産会社に告げないとしても、売却依頼をする場合は、必ず依頼する前に事故物件であることを告知しないと損害賠償の問題が生じることもあるんだよ。
STEP2 不動産会社を選ぶ
査定時点で、自殺等があった事故物件であることを告げたとしても、事故物件という前提で売却に向けて動いてくれる不動産会社がいくつか出てくると思うんだな。
そこで、次は不動産会社を選んでいくことになるけど、事故物件であるのに明らかに他社よりも高い査定額を提示してくるところは避けたほうが良いかもしれないんだよね。
そうなんだな。その不動産会社にとっては取りあえず媒介契約をしてもられればOKという考えで、売れなくて結局価格を下げるしかないということになることもあるんだ。
でも、その不動産会社が過去に同じような事故物件を扱ったことがある場合などで、その高い査定額でも売れるという根拠があるのであればそれはOKとは言えるよね。
次に、出来れば事故物件を扱ったことがある不動産屋のほうが良いんだな。
それはそうだよねー
過去に事故物件をどうやって売っていくのかを考えて実践したことがあるということなんだから、経験があるところに任せたほうが安心ってことなんだよね。
最終的には、担当者との相性も含めて、判断するようにして欲しいんだな。
不動産会社さえ決めてしまえば、後は売れるのを祈って待つだけということになるね!
STEP3 買い手が見つからないときは?
不動産会社と契約して、売却に向けて動き出しても、自殺があったような事故物件だと買い手がなかなか見つからないというケースも当然あるんだ。
そんなときは売り出し価格の変更も視野に入れる必要が出てくるよね…
先ほどは、事故物件は2~3割くらいは安くなるという話をしたけど、その価格でも売れないというケースもあるということなんだな。
となると… 場合によっては相場の5割くらいの価格も検討しないといけないかもしれないんだ。
相場の5割って… もう投げ売りみたいな価格だよね…
少しずつ価格を下げるのが良いのか、一気に下げるのが良いのかについては、確実な方法というのは無いけど、一気に下げたほうが買い手が見つかる可能性は高まると思うんだ。
確かに、価格を少しずつ何度も下げていると、そのマンションをチェックしていた人からすると「もう少し待ってみよう」という気持ちになりやすいって気がするけど…
反対に一気に下げた場合は「ここまで下がったなら買うチャンスだ!」と思ってくれたりするんだ。
とはいえ… 相場の5割減にまでなってしまう状況でも買い手を探すのが良いのかどうかは微妙なところかもしれないんだよね…
そんなときは、マンションの直接買取をしている不動産会社を探すという手もあるんだよ。もちろん、仲介で売る場合よりも価格は安くなるけど、確実に買取をしてくれるというメリットがあるんだ。
どうしても、仲介で買い手が見つからないという場合は、“値下げ”と“不動産会社の直接買取”を検討してみるといいってことだね!

自殺があった事故物件マンションの疑問あれこれ
さて、ここからは自殺があった事故物件についての疑問あれこれを解決していくことにするんだな。
事故物件についての基礎的な知識や、絶対に知っておきたいことをまとめているから、事故物件を売ろうとしているときは必ずチェックするようにしていってね!
どういう場合に事故物件になるの?
事故物件を法律的な言葉で言うと“心理的瑕疵がある物件”ということになるんだ。
簡単に言えば、心理的に「ここには住みたくないなー」と思うような物件のことを指すってことなんだよね。
ただし、この「ここには住みたくないなー」という心理は、特定の個人が思うだけではダメで、一般的に誰でもそう思うでしょ?と思うようなケースを指すんだな。
裁判では、事故物件と言えるための要件として、次のように説明しているんだ。
通常一般人において右事由があれば“住み心地のよさ”を欠くと感ずることに合理性があると判断される程度にいたったものであることを必要とする。
*大阪高裁昭和37年6月21日判決より。
事故物件の典型的な例としては、
・自殺
・他殺
・不審死
などがあったようなケースは、事故物件となるってことなんだ。
これらのことがあったら、誰でも「ここには住みたくない!!」って思うはずだもんね…
勘違いし易いところだけど、ただ単純にマンション内で死亡した人がいたというだけでは、事故物件という扱いにはならないんだ。自殺や他殺などの事件性があるような要件が必要となるんだな。

じゃあ孤独死はどうなるの?
すると、孤独死はどうなるの?という疑問が出てくると思うんだな。
でも、孤独死をしてすぐに発見されたようなケースでは、基本的には事故物件には該当しないと思われるんだ。
死亡後にすぐに発見されているのなら、家族がいる中でのマンション内での病死とかと同じってことになるってことなんだ。
でも、孤独死をして、その後ずっと発見されないで腐乱死体という状態にまでなってしまった場合は、事故物件になる可能性が高まるんだよね…
そうなんだな。普通は腐乱死体があった物件に住みたいなんて思わないはずで、この普通の人の感覚が鍵になるってことなんだな。
微妙な問題だとしても、少なくとも売却を依頼する不動産会社に告知をしないということは絶対に止めたほうがいいよねー
そうそう。必ず告知をした上で、売却手続を進めるようにしないと後々に大きな問題になる可能性もあるんだ。

マンションの部屋以外で起きたことなら事故物件にならないの?
マンションの部屋で自殺をしたけど、マンションでは死亡しないで病院に入院後に死亡した場合
⇒ 事故物件に該当する。
基本的には、こういった場合でも、事故物件に該当すると考えたほうが良いんだ。
実際に、過去の裁判でも同じような問題で、事故物件に該当するとして損害賠償を認めた事例があるんだよね(ただし、賠償額は売買金額の1%と低額)。
基本的には迷った場合は、きちんと告知するようにして後々のトラブルを避けるようにするんだ。
告知をして、マンションの購入者が知った上で購入するなら責任問題には発展しないし、仮に告知をしたのに不動産会社が購入者に黙っていた場合は不動産会社の責任になるってことになるもんね。
勘違いしたらダメだけど、告知をしたからと言って事故物件になる訳じゃないってことなんだ。
事故物件かどうか微妙なところに関しては、不動産会社に判断を投げてしまえばいいってことなんだよね。
マンション屋上からの飛び降り自殺があったらどうなるの?
自分が売ろうとしているマンションの部屋で自殺があった場合は、事故物件になる訳だけど、自分の部屋以外で自殺があった場合はどうなるのかという問題もあるんだな。
例えば、マンションの屋上からマンションとはまったく関係が無い人が飛び降りた場合にどうなるのか?というと、これは微妙なところになるんだよね。
そうなんだ…
判例では、賃貸物件の他の部屋で自殺があった場合は、事故物件としての告知義務は無いというものがあるんだ。マンションの屋上からの自殺もこれに合わせて事故物件とはならずに告知義務は無いとされる可能性もあるんだな。
でも、法的に告知義務があるかどうかはさておき、飛び降り自殺があったマンションというのはトラブルを避けるためにも、例え売ることが難しくなるとしても、その事実を告知したほうが良いよね。
ただし、飛び降り自殺からの経過年数(数十年当)によっては告知する必要は無いという判断もありだと思うからここらへんは臨機応変に対応することにして、心配なら告知すればOKってことなんだ。
ちなみにマンション屋上ではなく、マンションの部屋から飛び降りた場合については、死亡するのは地面に激突した瞬間になるかもしれないけど、飛び降りを決行したその部屋自体が事故物件になると考えられるんだよ…
自殺があった事故物件であることの告知は義務なの?
隠してマンションを売ろうとするのはダメ!
マンションが自殺があった事故物件というだけで、何割も価値が下がるんだから「黙って売ってしまおうかな?」と思う人もいるかもしれないんだな。
ばれないと思ってやったとしても、ご近所さんからばれることは多いし、隠し通すことが出来る可能性のほうが遥かに低いと思ったほうが良いんだな。
それに、一般的に日本人は裁判を避ける傾向にあるけど、マンションという高額な買い物で事故物件を掴まされたとなると、裁判沙汰にまで発展する可能性も高いと思ったほうが良いよね。
そうなんだな。後々になってから大きな問題になるくらいなら、安易に隠すという選択をすることはおススメできないんだ。
『売買完了後に責任を負わない』って契約をしてれば告知しなくても良い?
こういった契約を“瑕疵担保責任免責の特約”と言って、マンションの引渡し後に問題があっても責任を負わないよという契約内容になるんだな。
でも、この瑕疵担保責任免責の特約を結んでいることで、防げるのはその問題を知らない場合に限られるんだよね…
つまり、事故物件であることを知りながら、これを告知しないで売ろうとしたような場合にまで瑕疵担保責任免責の特約で守られる訳じゃないってことを理解して欲しいんだな。
このくらい期間が経過したら“事故”として告知しなくていいという基準は無いの?
これは難しいところなんだな。
例えば、こんな事例があるんだ。
家族がマンションのベランダで首つり自殺をした。その後、残された家族はそのまま生活をして、自殺から6年後に自殺があったことを告知しないままマンションを売却した
⇒ 事故物件に該当するから、売却時に告知義務があった
自殺があったのがベランダで、更にその後も生活をしていた場合に、6年経過しても告知する義務があるとされたんだ。
更に、もっと極端な例では50年前に起きた猟奇的な殺人事件があった場合に、50年経過しても告知義務があるとされた例があるんだよねー
もっとも、この事件自体が凄惨なもので、その地域住民たちにとっては根強く記憶に残るものであったという特殊な事情が関係していたんだな。
自殺があった事故物件であることの告知については、明確に○年で告知しなくていいというラインは無いということなんだよね。
それでもあえてラインを引くとすれば10年くらいが目安にはなると思うんだ。
あと、基本的には自殺よりも殺人のほうが重く受け止められるから、殺人があったマンションについては告知する義務は、長期化すると考えたほうが良いよね。
というわけで、基本的には何年経っていたとしても、確実に告知しなくてOK!なんて日は来ないということになるんだ。
結局のところ、不動産会社にはきちんと伝えた上で、事故物件として売却手続を進めるのかどうかは不動産会社に判断してもらうというのが無難ということになるってことなんだよね。
自殺があった事故物件であることの告知をしていない場合は何をされるの?
自殺があった事故物件であることの告知義務を果たしていない場合は、それに対して責任が発生するんだ。では、その責任はどういう形で問われることになるのか?ということを説明するんだな。
まず、悪いことをした場合の責任の取り方としては、刑事事件というのがあるよね。
刑事事件というのは簡単に言えば警察に捕まっちゃて、裁判にかけられるというものなんだな。でも告知義務を果たしていないだけでは、基本的には刑事事件にまで発展する可能性は少ない思っていいんだ。
もう一つの責任の取り方というのが、民事事件でのものになるね。
“民事事件”というのは、警察沙汰ではなくて金銭トラブルとか、契約トラブルとかの個人間の揉め事と考えれば良いんだ。そして、事故物件の告知義務違反も民事事件で責任を取らされると考えればいいんだな。
<責任の取らされ方 CASE1>
損賠を賠償する義務を負う。つまり、お金を支払って解決する形。
<責任の取らされ方 CASE2>
売買契約解除される。つまり、お金を返して、マンションが返ってくる形。
<責任の取らされ方 CASE3>
売買契約解除+損賠賠償金(違約金)の支払い。つまり、お金を返して更に賠償金を支払い、マンションが返ってくる形。
以上のような形になるんだ。告知義務を果たさないと、マンションの売買契約を解除されて、更に損害賠償までしないといけないケースもあることを理解しておいて欲しいんだな。

まとめ
というわけで、ここまで事故物件となったマンションの売却について解説してきたんだな。
これまで暮らしていたマンションが、何らかの原因で事故物件となってしまうのは、相当な精神的な負担となるだろうね…
そんな中で、更にマンション売却のために動かないといけないとなると、本当に辛いと思うんだな。
そんな辛い状況の中で、マンション売却のために不動産屋を巡って歩き回るとか、手続に忙殺されるという状況は出来るだけ避けて欲しいよね。
不動産会社を選ぶときは、自殺が起こったマンションに住んでいる側のことを親身に考えてくれるところを選びたいところなんだな。
もちろん、どんな不動産会社でも、自殺があって事故物件となったマンションを売るのは簡単なことでは無いんだけど、価格にさえこだわらなければ売れる可能性が高いんだよね。
このページでは、事故物件を売るための情報を細かく色々と紹介しているから、今が動き出すときじゃないとしても、将来動き出す予定ならそのときにまた見直してほしいんだな。
売るのが今じゃなくても、いつか役に立ったら嬉しいよね。
マンションが事故物件になってしまうのは本当に大変なことだけど、あなたのマンション売却が少しでも円滑に、そしてより条件に沿うようになることを祈ってるよ!
-事例別のマンション売却問題