

近隣トラブルでマンション売却はどうする!?
マンションを売ろうと思うきっかけは人によって、様々だけど、近隣トラブルでマンションを売るというのはかなり後ろ向きな理由で嫌なものなんだな…
くまった君みたいのは隣人トラブルではないと思うけどね…
マンションに限らずだけど、近隣住民にどんな人がいるかなんてマンション購入前はほとんど分からないし、隣に住む隣人との関係は難しいところなんだ。
マンションはベランダを接していてかなり身近で生活する存在になるけど関係が悪化した場合は、マンション暮らしも相当に辛いものになっちゃうよね…
というわけで、今回は近隣トラブルでマンションを売ることになった人に向けて、注意してもらいことなどをまとめていくよ!
このページではこんなことを解説しています!
☑近隣トラブルでも買い主に影響を与える可能性が高い場合は告知義務が発生する可能性あり。
☑告知義務が発生した場合は不動産会社に告知すればOK。
☑隣人トラブルを告知しなかったことで損害賠償請求が認められたケースがある。
☑自分に責任が無い近隣トラブルは民事、刑事で責任を取ってもらうことが可能なケースがある。
☑近隣トラブルでもマンション価値が下がることもある。
☑不動産会社に直接買取をしてもらうという方法もある。
更に詳しい解説を見たい人は、一番下まで読み進めてみて!
取りあえず、プロの話が聞けたらいい!という人は、マンションを査定してもらって、不動産会社の担当者に聞いてみるのをおすすめするんだな。

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近隣(隣人)トラブルが起きたときのマンション売却Q&A
Q.近隣トラブルでマンション売る場合は告知義務はあるの?
A.告知義務が発生する場合もある。

近隣トラブルでマンションを売ることになった場合に、一番気になることとして、買い主側に近隣トラブルについて説明する必要があるかどうか?ということになるんだ。
結論を言えば、告知義務が発生する場合もあるんだよね。
告知義務がある場合に、近隣トラブルがあった事実を告げない場合はマンションの引き渡し後に損害賠償請求をされる可能性も十分にあるんだ。
ただし、近隣トラブルならどんなものでも、告知義務が発生する訳じゃないからその点についてケース別に解説していくよ。
<ケース①>
・お隣の住人と友達になってしばらくは普通に友人関係を築いていた。
・しばらくして、個人的な事情から喧嘩になりそのまま険悪な関係に。
・顔を合わしてもお互いに挨拶をしないギスギスした雰囲気が嫌で、引っ越しをすることに…
さて、こんなときは告知義務があるのか?
⇒ 告知義務は無し!
なぜ告知義務は無いのか?
⇒ 個人的に仲が悪くなっただけの場合は、売り主の個人的な事情による隣人とのトラブルになるから、買い主に影響する可能性は無いため。
<ケース②>
・マンションのゴミ出しでルールを破ってしまった。
・マンション住民から怒られてしまったが、つい感情的になって言い返した。
・その後、事情を知っているマンション住民から白い眼を見られるようになってしまい、引っ越しをすることに…
さて、こんなときは告知義務があるのか?
⇒ 告知義務は無し!
なぜ告知義務は無いのか?
⇒ 売り主個人の行動によって、マンション住民との間にしこりが残っただけなので、買い主に影響する可能性は無いため。
<ケース③>
・マンションの隣人が大の子供嫌い。
・少しでも物音を立てると怒鳴り込んでくる。
・ドアにいたずらをされたり、マンションの内覧に来た人を隣人が怒鳴って追い返したこともある。
さて、こんなときは告知義務があるのか?
⇒ 告知義務がある!
なぜ告知義務があるのか?
⇒ 売り主に何にも責任が無い状態で、子どもが大嫌いという理由で隣人から理不尽な嫌がらせを受けたり、マンション内覧に来た人まで隣人が怒鳴りつけているような状態だと買い主が平穏に暮らせない可能性が高いため。
見てもらったらわかるとおり、ケース①②についてはマンションの売り主の個人的な事情による隣人トラブルなんだ。
この場合は、マンションに買い主が引っ越してきたとしても近隣トラブルを引き継ぐ訳ではないし、わざわざ告知をする義務なんて無いということになるんだよね。
そして、ケース③は、売り主に何の責任も無いのに”子どもが大嫌い”というだけの理由で、売り主は平穏な生活が出来ない状態になっていたんだな。この状況というのは、マンションの買い主にも引き継がれる可能性が大と言えるんだ。
つまり、簡単に言ってしまうと、マンションの買い主が売り主と同じように、平穏な生活が送れない程の近隣トラブルを経験する可能性が高いか?低いか?で判断することになるってことだね。
ケース③の事例では、内覧に来た人を隣人が追い返していたような状況なんだから、マンションの買い主は同じ近隣トラブルを経験する可能性が高い(というかほぼ確実)と考えられる訳なんだ。
例えば、2005年にワイドショーを賑わした騒音おばさんが、仮に近隣に住んでいる場合はまともな生活が出来る訳が無いから、告知義務ありとされる可能性が高いんだな。
<騒音おばさんとは?>
2005年に奈良県で起きた事件。被害者の近所に住む主婦が、2年半に渡ってラジカセの大音量やクラクションを日常的に鳴り響かせたり、布団をたたきながら「ひっこーし ひっこーし さっさとひっこーし しばくぞ!」などと大声で騒ぎ立てて、被害者は不眠になるなどしたため、傷害罪で実刑を受けた。
Q.告知は買い主に直接するの?それとも仲介する不動産会社に言えばいいの?
A.基本的には仲介する不動産会社に告知すればOK。

隣人トラブルがあって、買い主も同じトラブルに巻き込まれる可能性が高いのであれば、告知義務が発生することは先ほど説明したとおりなんだ。
では、この告知義務というのは誰に告知する必要があるのか?という問題が出てくるよね。
これは、基本的には仲介を依頼している不動産会社の担当者に告知をしていればそれでOKなんだ。
仮に、この不動産会社の担当者が、買い主に対して告知義務を果たさなかった場合は、それは不動産会社側が告知義務に違反していたことになると考えられるんだよ。
つまり、マンション売却に関わる手続きを不動産会社に託している訳だから、不動産会社に対して誠実に答えればそれでOKということなんだよね。
ただし、買い主が売り主に対して、直接説明を求めてきたような場合に、嘘をついたり、重大な近隣トラブルがあることを伝えなかったりすると売り主自身が告知義務違反の責任を負う可能性もあるんだ。
Q.近隣トラブルの告知義務違反があった場合の実例はなにかある?
A.隣人による嫌がらせがあったケースで、売買代金の20%相当の損害賠償が命じられたことがある。
紹介する事例は、隣人トラブルを告知しなかったことで、損害賠償が命じられたというものになるんだ。ちなみにマンションではなく、一戸建てでの事例になるし、売り主ではなく仲介を担当した不動産会社側が訴えられたものになるんだよ。
売り主:ポチさん
仲介した不動産会社:カラス不動産
買い主:にゃん子さん
▼どんなことがあったの?
ポチさんは家族で一戸建てに住んでいましたが、隣に住んでいるライオンさんに「子どもがうるさい!」と怒鳴られたり、洗濯物に水をかけられたりするという被害を受けていました。そこで、家と土地を売ることに決めました。
カラス不動産は家を売ろうと、購入を希望する内覧希望者を連れて来たりしましたが、ライオンさんに「うるさい!」などと言われて内覧希望者が購入をやめたという事情がありました。
この時点で、カラス不動産は確実に隣人トラブルがあることを把握していた訳です。
ところが、カラス不動産は次に購入を希望してきたにゃん子さんに、この隣人トラブルを告知しませんでした。そして、にゃん子さんは隣人にライオンさんというトラブルメーカーがいることを知らずに、家と土地を買うことに。
そして、にゃん子さんが購入後に家族と家に訪れると、ライオンさんから「あんたのガキうるさいんじゃ!」「Aみたいに追い出したるわ!」と怒鳴られてしまって引っ越しすることを断念しました。
こんなことがあって、にゃん子さんは「こんなにひどい隣人がいるなんて聞いてなかったよ!」と怒って、カラス不動産に対して2,800万円を請求しました。
▼裁判の結果は?
結果は、土地と建物の売買代金である2,280万円の20%程度の金額をカラス不動産に賠償するようにという判決が出たのです。
<平成16年12月2日 大阪高等裁判所判決を元に事実関係を簡略化して記載しました>

以上の事例は、一戸建てのものとはなるけど、マンションの近隣トラブルを告知する義務が発生するのかどうかを判断するときの指針にもなるんだ。
それにしても、とてもまともに住めない家を買っちゃったのに2割しか賠償されないっていうのは可哀想な気もするね…
Q.自分に責任が無い近隣トラブルの責任を取らせることは出来ないの?
A.損害賠償請求は出来る。場合によっては刑事事件として訴えることも出来る。

<民事での対処法>
近隣トラブルが一方的に嫌がらせをされる類のものであれば、損害賠償請求をすることは出来るんだ。
ただし、もし裁判に勝って損害賠償金を支払わせることに成功したとしても、それで近隣トラブルが解決するかどうかは別問題なんだよね。
それに裁判沙汰にまで発展した状態で、ご近所付き合いがまともに出来る訳もないから、いずれにしても完全な解決法にはならないと言えるんだ。
裁判を自分でするのが難しい場合は、弁護士に依頼をする必要があるよね。
でも、元々が取れる金額自体が少額になる可能性が高いから弁護士費用を考えると、裁判に勝ったとしても赤字になる可能性が高いんだな…
<刑事事件としての対処法>
これはどんな場合でも通用するような対処法では無いんだ。でも、刑事事件にまで発展するとさすがに相手も反省するだろうし、同じことを繰り返せば本当に刑務所送りになってしまう可能性もあるから、強制的に問題が解決できるものではあるんだ。
とはいえ、刑事事件で警察に対処してしまうのは簡単なことではないんだよね。ちょっとした近隣トラブル程度で警察が動いて、相手を捕まえてくれるなんてことはまずないと思ったほうが良いんだよ。
まず、刑事事件として対処してもらうためには、犯罪行為では無いとダメなんだ。
例えば、こんな感じになるんだな。
・ドアを蹴られて傷が付いた ⇒ 器物損壊罪
・脅迫された ⇒ 脅迫罪
・殴られた ⇒ 傷害罪
・毎日毎日大音量で嫌がらせをされて不眠症になった ⇒ 傷害罪
以上のように、何らかの犯罪行為をされない限りは刑事事件として相手を訴えることは出来ない(したとしても相手にされない)ことになるんだよね。
刑事事件として警察に動いてもらいたい場合に何より大事なのは、証拠になるんだ。録画・録音などで明らかな証拠を残して、警察に被害届を出すか、告訴状を出すことになるんだな。
証拠が無いと警察はなかなか動いてくれないんだよね…
Q.近隣トラブルでマンションの価値は下がるの?
A.トラブルの程度にもよるけど下がることが多い。

告知義務がある重大な近隣トラブルを抱えているマンションの価値がどうなるのか?というと、残念ながら価値は下がることが多いんだな。
もちろん、売り主が周辺相場と同じ価格で売り出すことは自由なんだけど、それでは買い手が付かない可能性が高いということになっちゃうよね。
周辺相場が3,000万円だとして、同じくらいの3,000万円で売り出した場合に購入を迷っている人がいるとしても、このときに「かなりやっかいな近隣トラブルを抱えている物件です」と言われたとして、果たして買うのか?と考えてみればわかりやすいんだな。
つまり、重大な近隣トラブルを抱えていても、買いたいと思ってくれる人が現れるレベルの価格で売り出さない限りはマンションが売れることは無いということになるんだよね。実際にどのくらい価値が下がるのか?という疑問への答えも”買い手が現れる価格”になるまで下がるということになっちゃうよね。
そして、価値が下がるからと言って、重大な近隣トラブルを隠してマンションを売ると、さっき説明したとおり後から損害賠償請求を受ける可能性がある訳だから、そんなことも出来ないんだな。
ということで、重大な近隣トラブルを抱えているマンションの価値は下げると考えておいたほうが良いんだよ。
念のために補足しておくと、マンションの価値が下がるのはあくまでも告知義務があるほどの重大な近隣トラブルがある場合だけになるんだ。告知義務が無い場合は、そもそも買い主はどんなトラブルがあるかも知らない訳なんだから、マンションの価値に影響を与えることは無いということになるんだな。
Q.近隣トラブルを抱えたマンションをサクッと売れる方法はないの?
A.不動産会社に直接買い取ってもらう方法がある。

ここまで読んで絶望的な気分になってしまった人もいると思うんだな。
それでも、深刻な近隣トラブルを抱えてしまった人は、何とかマンションを売って引っ越しをしたいと考えていると思うんだよね。
そこで、考えられる一番お手軽な方法は、不動産会社に直接買取をしてもらうという方法があるんだよ。
不動産会社に仲介してもらって、買い手を探すのでは無いから、これならすぐに売ることが出来るんだ。
自殺があったような事故物件の買取をする不動産会社もあるくらいだから、近隣トラブルを抱えていたとしても買取を実施してくれる不動産会社はあるはずんだな。
ただし… 買取の場合は、仲介で売る場合よりも安い価格しかつけてくれなくて、普通でも6割程度の価格での買取となる場合が多いんだよね。
更に、今回は近隣トラブルを抱えているということで、買取価格はもっと下がる可能性が高いんだな。
サクッと売ることは出来るけど、価格はかなり安くなることは覚悟する必要があるということになるんだ。
まとめ
さて、ここまで隣人などとの近隣トラブルでのマンション売却について解説してきた通り、近隣トラブルは完璧な解決方法なんてものは無いんだな。
住み続けるのも大変…
売るのも大変…
それが、近隣トラブルを抱えたマンション売却活動となるってことなんだよね。
一筋縄では行かないマンション売却活動になるとは思うんだけど、近隣トラブルを避けることが出来る人なら売却成功も出来るかもしれないんだ。例えば、近隣トラブルの原因が”「子どもがうるさい!」と猛烈で異常な苦情が来る”というものであれば、子どもがいない家庭なら「買ってもいいかも!?」と思うかもしれないってことなんだな。
そして、信頼できる不動産会社に売却を依頼するというのも大事なことになるんだよ。売り辛いマンションでも、熱意を持って売却活動をしてくれるのかどうか?というところを見て不動産会社選びをしてみるといいんだよ。
不動産会社の判断によって、近隣トラブルを告知しないとする場合もあるかもしれないけど、買い主に告知するかしないかという点も含めて真摯に対応してくれると心強いんだ。
不動産会社を選ぶときは、まずはマンションを査定してもらうところから始めるといいんだよ。おすすめの査定サービスも紹介しておくから、信頼できる不動産会社を見つけて欲しいんだな!
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