マンション売却にまつわるアレコレ
抵当権の付いたマンション売却って出来るの? 「抵当権よりやっかいなモノが付いています!!編」


抵当権が付いているマンションを売りたい!
くまった君みたいに幽霊付きのマンションを売りたいという人は少ないと思うけど、抵当権付きのマンションを売りたいという人は多いと思うんだよね。
僕としては幽霊付きマンションの売り方をもっと深掘りしたいところだけど、今回はみんなのために抵当権付きマンションの売却について解説をしていくことにするんだ。
このページではこんなことを解説しています!
☑抵当権が付いていても査定に影響は一切ない。
☑抵当権が付いていても、売却代金で住宅ローンを完済できるなら問題ない。
☑抵当権は買い主にマンションを引き渡すまでに消す必要がある。
☑抵当権を消すために、住宅ローン残高より高く売る必要がある。
☑住宅ローンを完済できない場合は任意売却という方法がある。
抵当権は住宅ローンを組んで、マンションを購入した場合はまず付いているものなんだな。
住宅ローンを貸した金融機関が住宅ローンの返済が滞った場合に備えて、設定しているのが抵当権ということなんだよね。
つまり、簡単に言えば”マンションを担保に取られている状態”ということになるんだ。基本的にはマンションを一括現金で購入したような場合や、住宅ローンを完済した場合を除けば、マンションには抵当権が付いているのが普通なんだな。
こんな感じで、”マンションを担保に取られている”と聞くと、売るのは無理じゃないか?と思うかもしれないけど、色々な方法があるから一つずつ確認して、自分のマンションを売ることが可能かどうかを確認してみてね!!
ちなみにマンションに抵当権が付いているのかどうかは、法務局で登記簿謄本を取れば誰でも確認できるものだから、抵当権が付いていることを隠して売るなんてことは出来ないなんだな。
抵当権が付いているマンションの売却のあれこれ
抵当権が付いたままのマンション査定の疑問
①抵当権が付いているマンションの査定はしてもらえるの?
いざマンションを売ろうとしたとしても、マンションの査定をしてもらえないと話にならないんだな。マンション売却の第一歩はマンションを査定してもらうことから始まるんだから、ここは大事なポイントになるんだ。
結論を言うと… 抵当権が付いていてもマンション査定はまったく問題ないんだよ!
ということで、抵当権が付いているという理由でマンションの査定を躊躇する理由は何も無いし、不動産会社側だってそんなことは気にしないんだ。
というか、抵当権が付いてるケースは本当に多いんだから、そんなことが問題になることは無いってことなんだよね。
査定をしてもらうときは、複数の不動産会社に依頼するのをおすすめなんだな。簡単にネットで査定依頼を出来るおすすめサービスを紹介しておくから利用してみるといいんだよ。

➡イエイのマンション査定はこちらから
☆机上査定(マンションへの訪問無し)もしてくれるから手軽に利用できるのがポイント♪
マンションを査定してもらうときに、逆に不動産会社の対応をチェックして、より誠実に対応してくれるところを選ぶのがマンション売却成功のコツだよ!机上査定なら多くの不動産会社に依頼して、訪問査定の場合は3社程度を選ぶのがおすすめの利用方法♪
②抵当権が付いているとマンション査定でマイナス評価になるの?
抵当権が付いているからと言っても、マイナス査定になるなんてことは無いんだ。
この後でくまった君が詳しく解説するけど、抵当権が付いていることで、マンションを売るに売れないという状態になることはあり得るけど、それとマンションの価値というのはまったく別の問題ということなんだよね。
マンション査定で見られるのは、純粋なマンションの価値であって、それに付随して抵当権が付いている場合にその抵当権をどうするのか?はまた別で考えるということになるってことなんだ。

抵当権付きマンション売却に向けた疑問
①そもそも抵当権って誰がつけたものなの?
マンションに抵当権が付いているという場合に、この抵当権を誰が付けたのか?というと基本的には住宅ローンを借りた金融機関ということになるんだ。
銀行などの金融機関としては、万が一住宅ローンが返ってこない場合は、抵当権を実行して強制的に競売にかけることが出来るんだよ。そして、競売でマンションを売ることで返済してもらえなかった住宅ローンを補てんするということになるんだよね。
つまり、冒頭でも説明したけど抵当権というのは”マンションが担保に取られた状態”ということになるってことなんだ。
②抵当権が付いたマンションは売ることが出来るの?
抵当権が付いたマンションを売ることが出来るのかどうかは、ケースによるってことになるんだ。
簡単に言えば、付いている抵当権を消すことが出来るのならマンションを売れる。ということになるんだよね。
抵当権を消すためには、基本的には住宅ローンを完済する必要があるんだ。
住宅ローンを貸す金融機関側からすると、返済が滞った場合に備えた担保なのだから、住宅ローンが返済されても無いのに抵当権を消してはくれないんだよ。
つまり、抵当権が付いたマンションを売れる条件としては以下のようになるんだ。
・マンションの売却代金が入ってきたら住宅ローンを完済できる場合。
・自己費用で住宅ローンを完済できる場合。
これを見ればわかるとおり、金融機関側がマンションを担保に取る必要が無くなる状態にする必要があるってことなんだな。
<ちょっと豆知識>
ここでは分かりやすく説明するために「マンションを売るためには、抵当権を消す必要がある」と説明したんだ。でも、正確に言うと抵当権が付いたままでもマンションを売り渡すことは出来るんだよ。もちろん、引き渡すときに抵当権を消すことが条件という訳でも無いんだ。
でも… 現実問題として抵当権が付いたままのマンションを購入する人はいないだ。抵当権が付いたままマンションを購入するということは、他人の住宅ローンのためにマンションが競売にかけられてしまうリスクを負うということになるんだな。というわけで、抵当権が付いたままでもマンションは売れるけど、実際にはそんなマンションを買う人はいないというのが結論になるんだ。
③抵当権を消すタイミングはいつなの?
そのタイミングはいつか?というと、住宅ローンを完済して、完済したことを証明する書類を金融機関からもらってからになるんだよね。
つまり、自己費用で住宅ローンを完済するような場合を除いて、マンションの売買契約をしたときは抵当権は付いたままになるし、売却代金を受け取った時点では抵当権は付いたままになるってことなんだな。
この点は、買い手側が余計な心配をしないように、買い手側にきちんと説明をしておきたいところだよね。まあ、普通は仲介をする不動産会社側が説明をしているはずだから、売り主側がわざわざ説明をする必要は無いことが大半なんだけど。
そして、住宅ローンを完済したことの証明書は多くの場合で、「弁済証書」と言われるものになるんだ。簡単に言えば、「領収書」と同じような役割を持つもので、「弁済」というのは法律用語で借金を完済したという意味で使われるものなんだ。
この弁済証書を使って、抵当権を消す手続き(正確には「抵当権抹消登記」)を急いですることになるんだよね。
基本的には司法書士が即日で抵当権を消す手続をしてくれることが多いんだ。そして、そのままマンションの名義変更まで済ませるという形になるんだな。
■実際の抵当権を消す手続きに必要な書類は?
☑弁済証書(状況により「解除証書」「放棄証書」の場合もあり) ⇒ この弁済証書を”登記原因証明情報”と言う。
☑抵当権を消したいマンションの登記簿謄本(登記事項証明書)
☑抵当権設定契約証書(登記済証or登記識別情報を通知する書類) ⇒ 弁済証書と一緒に金融機関から渡される。間違えやすいところだけど、マンション自体の権利証は必要ない。
☑金融機関側の委任状 ⇒ 弁済証書と一緒に金融機関から渡される。
☑金融機関側の代表事項証明書 ⇒ 金融機関から渡されない場合は、自分または手続を依頼する司法書士が取得。
☑自分の認印
④マンション売却決定したのに、抵当権を消すことが出来ない場合はどうなるの?
マンションを売却して得る売却金で、住宅ローンを完済しようと思っていたのに、色々な事情で(自己資金で補てんする予定が自己資金の都合が付かなくなった等)、これが出来ないという場合も稀にあるんだ。
こういうときは、抵当権を消すことが出来ないということになるんだよね。
さて、こういったときにどういった問題が生まれるかというと、マンションの売買契約を解除された上で、次のような責任を負う可能性があるんだ。
☑もらっていた手付金を返金する
☑違約金の支払い義務を負う(損害賠償金の支払い義務を負う場合もあり得る)
まず、売買契約を交わしたときに手付金を受け取っているはずなんだけど、これは返金する必要があるんだよね。
そして、多くの場合で、売買契約時に違約金を定めた契約書を交わしているはずだから、それに基づいて違約金を支払う必要が出てくるんだな。
売買契約時の契約書には以下のような記載がある場合がほとんどなんだ。
「甲は、本件不動産の所有権等移転の時期迄に、抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権その他、乙の権利行使を阻害する一切の負担を消除する」
ちょっと難しい用語が並んでいるけど、簡単に言うと「マンションを引き渡すまでに抵当権を消すことを約束するよ」という契約内容になっているということなんだ。
そして、この約束を守れないときに手付金を返すことと、違約金を支払うことが書かれていることが多いんだよね。
これを回避するためには、売却代金で受け取るお金以外で、何とかして住宅ローンを完済出来るだけのお金を集める必要があるんだ。
そして、マンション売却決定後にこういった問題が起きないように、マンション売却を進める前に金融機関側へ売却の打診をすることと、住宅ローンの正確な残高を確認しておくことは必須なんだな。

抵当権が付いているマンションを売るときに大事なこと
①手持ち資金が無いなら、住宅ローン残高よりも高く売ること!!
抵当権が付いているマンションを売るときに、大事なことは何といっても住宅ローンを完済できるだけの金額で売ることが必要になるんだ。
注意しないといけないのは、マンションの売却代金の全てが手元に残る訳ではないってことなんだよね。
<2,000万円でマンション売却できた場合>
☑不動産会社への仲介手数料…約71万円
☑売買契約時の収入印紙代…1万円
☑抵当権を消すために司法書士へ支払う報酬、登録免許税…1~3万円程度
*仲介手数料は不動産会社によって異なる場合もあり。
*名義変更の登記費用は買い手側が負担。
以上のように、もし2,000万円でマンションを売れたとしても75万円程度は費用の支払いで消えることになるってことなんだ。
2,000万円の住宅ローン残高があるから、2,000万円で売れればOKという訳ではないことに注意する必要があるね。
更に引っ越し費用なども考えておく必要もあるんだな。
②マンション査定は複数の不動産会社にしてもらって、より対応が良さそうなところに依頼する
抵当権を消すためには、住宅ローン残高よりも高くマンションを売る必要があるんだ。
このマンションを高く売る為の第一歩となるのが、マンション査定となるんだよ。最初に触れたとおり、抵当権が付いているとしてもマンション査定に影響は一切ないから心配しないで査定依頼をすればいいんだよ!!
このときに大事なのが、マンション査定を1社だけに任せないということになるんだな。
なぜかというと、1社だけの査定では査定結果が適正かどうかを判断する基準が無いことになるし、不動産会社スタッフの対応を比較することも出来なくなるからなんだよね。
マンションを査定する不動産会社によって、意外と大きな差があったりするから査定は複数の会社にするのは鉄則なんだな。

➡イエイのマンション査定はこちらから
☆机上査定(マンションへの訪問無し)もしてくれるから手軽に利用できるのがポイント♪
マンションを査定してもらうときに、逆に不動産会社の対応をチェックして、より誠実に対応してくれるところを選ぶのがマンション売却成功のコツだよ!机上査定なら多くの不動産会社に依頼して、訪問査定の場合は3社程度を選ぶのがおすすめの利用方法♪
③「マンションの査定額=売れる金額」ではないことに注意しよう
先ほどは、複数の不動産会社に査定依頼をすることが大事とは言ったんだけど、査定額が高ければよいわけじゃないんだ。
住宅ローン残高が2,000万円あって、マンションの査定額が2,500万円で、「これで売却代金で抵当権を消すことができる!」と思いたいところなんだけど…
でも、これで安心できる訳じゃないんだよ。
マンションの査定額が2,500万円だとして、これで売り出したとしてもいつまでも売れない場合は価格を下げざるを得ない場合もあるんだ。
もちろん、抵当権を消すことが出来ない程の低い価格で売り出すことは、自分の意思で回避出来るけどその場合は、いつまで経っても売れないという結果にもなり得るんだよね…
親切な不動産会社であれば、マンション査定時に売却に向けた展望として、売出時の価格とその後の推移によっての、下落させる価格の提案もあるはずなんだ。高い金額の査定額だけに踊らされないようにする必要があるということなんだな。
④住宅ローンを完済できないときは任意売却という方法もある
ここまで説明してきた通り、抵当権を付けたまま売る場合は、売却代金か自己資金で住宅ローンを完済している必要があるんだ。
ただ、例外的に住宅ローンを完済出来なくても、金融機関側が抵当権を外してくれるような売り方もあるんだよね。
その方法というのは”任意売却”という方法なんだよ。
しつこいようだけど、抵当権というのは金融機関が住宅ローン支払いが滞った場合に備えて、取っている担保なんだ。でも、金融機関側としても抵当権を実行しても競売では安い金額しか手に入れることが出来ないんだな。
考えてみれば当たり前のことだけど、裁判所の競売で売られているマンションなんていうのは、何らかの訳アリ物件という可能性が高い訳だから一般人は手を出し辛くて、高く売ることは難しいんだよね…
そこで、出てくるのが任意売却という方法で、金融機関側に任意売却で売ることに同意してもらって、残ってしまう住宅ローンに関しても話し合い次第で柔軟に対応してくれるというものなんだな。そして、重要なのがこの任意売却では金融機関側は住宅ローンが残ったとしても、抵当権を外してくれるということなんだ。
この任意売却では売り方としては仲介で売るのと方法になるんだ。つまり、普通に一般人が買うことになる可能性が高いということなんだよね。金融機関側としては、住宅ローン全額は回収出来ないとしても、競売にかけるよりは多い金額を回収できる可能性が高ければ任意売却に応じやすくなるという理屈なんだよ。
抵当権が付いたままマンションを売りたいけど、住宅ローンを全額返済出来そうに無いという場合には、マンション査定をしてもらうのと同時に任意売却という形で進めることが可能かどうかを聞くんだ。

まとめ
以上ここまで解説してきた通り、抵当権が付いているマンションだからと言って、何も特別なことを考える必要は無いんだ。
というか、抵当権が付いたままマンションを売りに出すなんてことは普通にあることで、珍しいことでも何でも無いってことなんだよね。
抵当権が付いているとしても、まず考えるべきことは「マンションをより高く売ること」ということになるんだ。
マンションを高く売る方法については、こちらを参考にしてみて欲しいんだな。
というわけで、これで抵当権が付いているマンションの売却についての解説は終わりなんだな。抵当権が付いているあなたのマンションが無事売れることを祈ってるクマよー!
-マンション売却にまつわるアレコレ