

同じマンションで売りに出ている部屋がある場合の影響は?
不動産というのは、売買対象の商品という意味では基本的には同じものっていうのは無いんだな。特に一戸建ての場合は、立地や間取りやデザインなどで、それぞれが大きく違っていることが多いんだ。土地だって同じなんだな。
しかし… マンションに関して言うと、不動産という意味では一戸建てや土地と一緒なんだけど、大きな違いとしてほとんど同じ商品(マンションの部屋)が売り出されていることがあるいう点があるんだよね。
つまり、一戸建てなら「この家が欲しい!」と気に行ってもらえればそれで購入してもらえる可能性が高いけどマンションの場合は「このマンションが欲しい!」と思われたとしても、同じマンションで売りに出ている部屋があれば自分の部屋のほうが売れるなんて保証はどこにも無いんだよ。
というわけで、今回は同じマンションで売りに出ている部屋がある場合の対応について解説していくんだな。
このページではこんなことを解説しています!
☑売りに出ている他部屋が1~2戸なら価格設定で意識しすぎない。
☑売りに出ている部屋が3戸以上なら価格設定で参考にせざる得ないことが多い。
☑他の売出中の部屋の価格を気にするよりも、不動産会社に査定をしてもらおう。
☑他の売出中の部屋の価格から、自分の部屋の価格を算定するには1㎡あたりの価格から導き出す。
それぞれの内容についてもっと詳しく知りたい人は読み進めてみて!
同じマンションで売りに出ている部屋がある場合は価格はどうやって決める?
➡check!<同じマンションで売却中の物件があるのか調べる方法は?>
同じマンションで売りに出ている部屋が無いかチェックするためには、suumoやYahoo不動産などの大手不動産サイトを利用して検索するという方法ではチェック漏れが出る可能性があるから注意して欲しいんだな。なぜかというと、売却中のマンションの中には地元不動産会社のHPにだけ売出情報を出している場合もあり得るからなんだ。そこで、もっと簡単な方法としてgoogleを利用して「マンション名 + 地域名 + 売買」で検索してみるといいんだ。すると、大手不動産サイトも含めた売出情報が出てくるクマよ。
Q.他部屋の価格を参考にするべきなの?
A.参考にするべき場合もあれば、そうでない場合もある。

自分がマンションを売りに出そうとしたときに、同じマンションで他にも売りに出している状況だとどうしても、その部屋の動向が気になるところなんだな。
特に自分の部屋の売出価格を決めるときは、他部屋の価格との兼ね合いも出てきそうで悩むところだろうね。
まず、最初に言っておかないといけないのは他部屋が売りに出ていたとしても、その価格を参考にするかどうかはケースによるんだ。
なぜか?というと、同じマンションだとしても、マンションを売るに至る経緯も色々あれば、マンションの売却活動の目標もそれぞれ違うんだな。
極端な話をすれば、同じマンションだとしても、他部屋では自殺や事件などの経緯があって、売りに出している可能性だってあるもんね。その場合に、その部屋の売出価格を参考にすると相場より極端に低い価格で売り出してしまうことになっちゃうしね…
参考にするべきかどうかは、ここから先で詳しく解説するクマよ!
Q.他部屋の価格を参考にしないほうが良い場合は?
A.同じマンション内で売り出されている部屋が1~2戸と少ない場合(総戸数が60戸程度の場合)。

他部屋が売りに出されていると、どうしてもその売出価格を気にしてしまうと思うんだけど、マンションの総戸数が60戸くらいあって売りに出されている部屋数が1~2戸の少数であれば基本的には気にしすぎない方が良いんだな。
さっきも触れたけど、マンションを売りに出す事情というのは人それぞれだもんね。
例えば、次のような感じなんだな。
☑転勤を控えていて価格は安くてもいいから、転勤までにマンション売却を完了してしまいたい人
☑マンションを買い替えるつもりで、出来る限りの早期売却を目指している人
☑売れれば引っ越せばいいやという感じで、のんびり売却活動をしている人
☑住宅ローンの残債を完済するために、○○円以上で売らないとダメ!という制約がある人
以上はあくまでも一例なんだけど、それぞれの立場によって、マンションが売れないといけない時期的な制約がある場合もあれば、価格的に高く売らないと困る人もいれば、安くても早く売れればいいという人もいたりという感じになるんだ。
つまり、マンション全体で売りに出ている部屋が1~2戸程度だと、売りに出している事情を知っているならともかく、そうでなければ参考にして良い売出価格なのかどうかははっきりしないということになるんだよね。
売り急いでない人が、売り急いでいる人の売出価格を参考にしても意味が無いし、売り急いでいる人が売り急いでいない人の売出価格を参考にしても意味が無いってことになるんだな。
ここに注意!
1~2戸程度でも、売り出されてからの期間が長ければ参考にしたほうが良いんだ。長い間い売れていないということは、その売出価格では売れないということになるから、もう少し安い価格を検討する必要も出てくるんだな。
1~2戸で売り出し価格を参考にしない!というのは、あくまでも売れ残りという状況ではない場合に限定するということを覚えておいて欲しいんだ。
Q.他部屋の売出価格を参考にしたほうが良い場合は?
A.総戸数60戸以上で、3戸以上の部屋が売りに出ている場合は、参考にせざるを得ない面もある。

総戸数60戸程度の、同じマンションで売りに出ている部屋が3部屋以上ある場合は、さすがに他部屋の売出価格を無視するのは難しくなるんだな。
例え、他部屋の売り主にどんな事情があったとしても、買い手側から比較されてしまうのはしょうがないことだもんね…
そして、3戸以上の部屋が売りに出ているということの意味を考えてみると、それはマンションを売りに出したにも関わらずある程度、売れ残っている状態とも言えるんだな。
つまり、他部屋と同じ価格で売り出したとしても、角部屋とか上階層といった差別化できる要素が無いとなかなか売れない可能性が高いということになるんだよね…
そこで、同じマンションで3戸以上の部屋が売られている場合は、他部屋の売出価格を参考にして同じくらいか、少し低いくらいで売出価格を決めるほうが無難なんだな。
Q.不動産会社のマンション査定とどちらを優先する?
A.まずは不動産会社の査定額を基準にして売出価格を決めてみるのをおすすめする。
マンションを売り出すときは、当たり前なんだけど不動産会社にもマンションを査定してもらうことになるんだな。
そのときに、同じマンションに売りに出ている部屋がある場合の売出価格とどちらを優先させるか?という疑問を持つ人もいるだろうね。
これに関しては、先ほどから何度も説明している通り、他の部屋の売出価格というのは、売り主の様々な理由によって不動産会社の出した査定額とは違うものとなっている可能性があるんだな。
というわけで、基本的にはまずは不動産会社が出した査定額を基準にして、いくらで売り出すのかを決めると良いんだよね。
不動産会社の出す査定額というのは、基本的には過去の類似の取引を元にして実際に売れそうな金額を出してくることになるんだクマな。ということは、不動産会社の出す査定額というのは買い手が付きやすい価格とも言えるんだよね。
ただし、先ほど説明したとおり同じマンションで売りに出ている部屋が多い場合は、不動産会社も同じような査定額せざるを得ない場面は出てくるだろうね…
不動産会社への査定依頼に関しては、1社だけではなく3社程度には依頼するようにして欲しいんだ。これは高い査定額を引き出すのが目的なのではなくて、査定時の対応で不動産会社を見極めるためなんだ。色々な不動産会社に査定の連絡をするのが大変という場合は、ネットから申し込みできる一括査定サービスを利用するといいんだな。

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☆机上査定(マンションへの訪問無し)もしてくれるから手軽に利用できるのがポイント♪
マンションを査定してもらうときに、逆に不動産会社の対応をチェックして、より誠実に対応してくれるところを選ぶのがマンション売却成功のコツだよ!机上査定なら多くの不動産会社に依頼して、訪問査定の場合は3社程度を選ぶのがおすすめの利用方法♪
ここに注意!
不動産会社の出すマンション査定額の中には、マンション売却依頼を取り付けるために、わざと売れそうもない高い査定額を出してくるような不動産会社もあるんだ。そのため、マンション売却を依頼する不動産会社選びは査定額が高いか、低いかだけではなくて担当者の対応や、実際にどんな営業をしてくれるのかを重視するようにして欲しいんだな。
他の部屋の売出価格を参考に自分の部屋の売出価格を算定する方法は?
STEP1 まず1㎡あたりの価格を出す
最初にすることは、同じマンションで売りに出ている部屋の1㎡あたりの価格を計算してみるんだ。
売りに出ている部屋の価格 ÷ 売りに出ている部屋の面積(㎡) = 1㎡あたりの価格
これで売りに出ている部屋の1㎡の価格が出てくるんだ。
STEP2 ”売りに出ている部屋の1㎡あたりの価格”に自分の部屋の広さ(㎡)をかける
次は、先ほど出した売りに出ている部屋の1㎡の価格を、自分の部屋の広さにかけてみるんだ。
売りに出ている部屋の1㎡の価格 × 自分の部屋の面積(㎡) = 自分の部屋の価格
これで、他部屋の売出価格を元に、自分の部屋の価格を導き出すことが出来たね!!
ただし、この価格というのは階数の違いや、角部屋かどうかの違いは考慮していないものになるから、ここからちょっと補正をするんだ。
売りに出ている部屋と階数が同じで、角部屋かどうかも同じ条件であれば、このSTEP2までで自分の部屋の価格算定は完了なんだ。
STEP3 階数が違う場合の補正をする
まず、大前提としてマンションの階数が違う場合は、上のほうが高くて、下のほうが低いということになるよね。
というわけで、次のように計算をしてみるんだな。
・階数が上なら1階ごとに0.5%を足す。
・階数が下なら1階ごとに0.5%を引く。

<計算例>
10階で2,000万円で売り出されている部屋を参考にする場合
自分が15階の部屋を売りたいときは…
①2,000万円 × 0.5% = 10万円(←1階ごとの価格差)
②5階上 × 10万円 = 50万円(5階上の部屋を売る場合の上乗せ分)
③2,000万円 + 50万円 = 2,050万円(15階の自分の部屋の価格)
自分が5階の部屋を売りたいときは…
①2,000万円 × 0.5% = 10万円(←1階ごとの価格差)
②5階下 × 10万円 = 50万円(5階下の部屋を売る場合の値下げ分)
③2,000万円 - 50万円 = 1,950万円(5階の自分の部屋の価格)
以上のように階による違いがある場合は、それぞれ1階ごとに0.5%の価値の差があることを考慮して、算定していってみるといいんだ。
STEP④ 角部屋かそうでないかの補正をする
マンションを価値を見る上では、角部屋かそうでないかで価値は結構変わってくるんだ。
どの程度価格差が出てくるかは、一概には言えないことなんだけど、ここでは
10%の価格差を付けることをおすすめしておくんだな。
つまり、以下のように計算してみるんだ。
・自分の売りたい部屋が角部屋なら…
STEP3までの計算で出てきた査定額が2,000万円で、角部屋ではない場合は10%アップさせて2,200万円。
・自分の売りたい部屋が角部屋じゃないなら…
STEP3までの計算で出てきた査定額が2,000万円で、角部屋の場合は10%ダウンさせて1,800万円。
以上のSTEP1~4の手順を踏めば、同じマンションで売出中の他部屋の価格を参考に、自分の部屋を売り出す場合の価格を算定することが出来るんだよ。この価格を参考にするかどうかは、最初のQ&Aで解説したことを参考に決めて欲しいんだな。

まとめ
自分がマンションを売り出そうとした時に、同じマンションで売出中の部屋があると気になって当然だと思うんだな。
とはいえ、こればかりは一戸建てとは違う、マンションという不動産を売るときの宿命と言えるもので、ほとんどの場合で付きまとう問題なんだよね。
他の部屋が売りに出ているとライバルがいるようで、色々気になるだろうけど、以上を参考にして自分の部屋売却に向けて動いていて欲しいんだ。
このページを参考にして、先に売り出した他の部屋より先に売却が決まると、僕にとってもとても嬉しいことになるクマなぁー
-事例別のマンション売却問題